マーケティング戦略

売上が伸びる会社は「顧客数」より先に「客単価」を見直している

2026年10月15日

売上を伸ばしたいとき、多くの会社が最初に考えるのは「新しいお客さまをもっと増やす」ことです。

もちろん、それは大事なことです。ただ、売上の伸び方を大きく左右するのは、実はもう一方の数字、客単価(お客さま一件あたりの売上)です。

今回は、顧客数を増やすこと以上に売上に効いてくる「客単価の引き上げ」について、落ち着いて整理してみたいと思います。

顧客数が増えた以上に、売上が伸びた例

先日、集客のご支援先から、こんなご報告をいただきました。

ホームページを改善し、広告の運用を行ったことで、お付き合いのあるお客さまの母数が増えた。それだけでなく、客単価も上がってきている。そのため、売上の伸びは顧客数の伸びを上回っている。売上はここ数ヶ月、過去最高の水準がそのまま毎月の平均になっている。

注目していただきたいのは、最後の部分です。

顧客数が増えたから売上が伸びた、という話ではありません。顧客数が増え、さらに客単価も上がったから、売上は顧客数の伸び以上に伸びたのです。

この二つは掛け算の関係にあります。どちらか一方だけを動かすより、両方を少しずつ動かしたほうが、結果は大きく変わります。

顧客数を増やすこと自体は、実はそれほど難しくない

少し乱暴な言い方になりますが、価格の安さで勝負すれば、お客さまの数そのものは増やせます。

一方で、客単価については「上げたいけれど、上げられない」とおっしゃる方が、多くいらっしゃいます。

上げられない理由は、たいてい「不安」

なぜ上げられないのか。その背景にあるのは、ほとんどの場合、価格を上げたらお客さまが離れてしまうのではないか、という不安です。

長くお付き合いのあるお客さまの顔が浮かぶからこそ、言い出しにくい。これまで信頼していただいてきた分、裏切るように感じてしまう。その気持ちは、とてもよくわかります。

ただ、ここで一つ、分けて考えていただきたいことがあります。

「客単価を上げる」ことと「値上げする」ことは、同じではありません。

値上げだけが、客単価を上げる方法ではない

客単価を上げるというと、ほとんどの方が値段の引き上げを思い浮かべます。けれども、値上げは手段の一つに過ぎません。

客単価は、価格以外のところからも動かせます。たとえば、今まで別々にお受けしていたものを、まとめてご利用いただく形にする。一回で終わっていたご利用を、続けてお役に立てるかたちに変える。お客さまが本当は困っているのに、こちらから案内できていなかったものを、きちんとお伝えする。

いずれも、お客さまに無理をお願いするものではありません。

値段を上げる話から始めると、どうしても身構えてしまいます。けれど「お客さまのお役に立てる範囲を広げる」と考え直すと、できることはぐっと増えていきます。

上げやすいところから、じわじわと

実際に進めるときのコツは、一気にではなく、上げやすい部分から少しずつ動かしていくことです。

すべてのお客さま、すべての商品やサービスを同時に見直す必要はありません。抵抗が小さいところ、お客さまにとっての納得感が大きいところから手をつけていく。そのやり方で、1年かけて客単価が1.5倍になった方もいらっしゃいます。

ただし、やみくもにやってもうまくいかない

とはいえ、思いつきで値段をいじったり、やみくもに提案を増やしたりして、うまくいくわけではありません。

どのお客さまから、どの順番で、どんな形でお役立ちの幅を広げていくのか。そこはしっかり設計する必要があります。設計のないまま動かすと、お客さまが離れるという、いちばん恐れていた結果を招きかねません。

また、集客についても「新しいお客さまを何件増やすか」だけで考えると、どうしても苦しくなります。今お付き合いのあるお客さまを含めた全体の顧客数として捉え、そのうえで客単価をどう上げていくかを合わせて考える。この順番で設計すると、売上の伸び方が変わってきます。

おわりに

売上は、顧客数と客単価の掛け算です。

顧客数だけを追いかけると、どこまでも終わりがありません。けれど客単価のほうに目を向けると、今すでにお付き合いのあるお客さまの中に、まだ手をつけていない余地が見つかることがあります。

ご自身の会社では、どちらに伸ばせる余地が残っているでしょうか。

もし整理しきれないところがあれば、現状を一度外から見てみるのも一つの方法です。年商3億〜10億円規模の企業の経営者さまに向けて、無料診断&相談のご案内をしています。

https://growthpartners-lab.com/diagnosis/

今のお客さまの数と客単価のバランス、広告やホームページの状態を見ながら、どこから手をつけるのが現実的かをご一緒に考えます。お時間のあるときに、気軽にのぞいてみてください。

← コラム一覧へ